ネットが遅い原因はLANケーブルかも|規格を見直して速度を改善する方法

LANケーブル交換だけでネットが速くなる!規格の違いと選び方を解説

インターネット接続が遅い、動画がカクつく、ゲームで遅延が発生するなどの症状がある。

ルーターやプロバイダに原因があると考えがちですが、実は古いケーブルや規格の合っていないケーブルがボトルネックになっているケースも少なくありません。

  • ネットが遅い原因がLANケーブルにある場合、交換で改善できるのは「ケーブルの劣化」と「古い規格によるボトルネック」の2パターン。まず今使っているケーブルの規格と機器側の対応状況を確認するのが先決です。
  • 新しく買うならCAT6A一択。1Gbps回線にも10Gbps回線にも対応でき、ノイズ耐性も高い。家電量販店で売られているCAT7は規格相当品で実質CAT6A以下の性能しか出ないので注意。
  • マンションのVDSL方式や古いルーターが原因の場合、ケーブルを変えても速度は上がらない。改善しない場合は機器側や配線方式のボトルネックを疑いましょう。
目次

インターネット接続が遅い原因が、LANケーブルにあるかどうかを確認する

インターネット接続が遅い原因はいくつかありますが、LANケーブルが原因のケースは見落とされがちです。古いケーブルは、内部の銅線や絶縁体の劣化で信号が弱まることがあります。

また、規格が古いと回線速度に対応できない場合もあります。まず「自分の環境でLANケーブルが原因になっているか」を確認するところから始めましょう。

今のLANケーブルの規格を確認する

LANケーブルの外側には「CAT5e」「CAT6」「CAT6A」などの規格が白い文字で印字されています。この表記がケーブルの性能を示しています。

印字が「CAT5」や「CAT5e」の場合、またはケーブルを5年以上使い続けている場合は、交換を検討する価値があります。

規格が古いケースでは回線の速度を引き出せていないことがあるし、劣化によってノイズの影響を受けやすくなっていることも多いです。

印字が見当たらない、あるいは読めない場合は、CAT5以前の古いケーブルである可能性が高いです。購入時期が不明な場合は、CAT6Aへの交換を推奨します。

ルーター・PCのLANポート規格を確認する

ケーブルを交換する前に、接続先の機器が何Mbpsまで対応しているかを確認しておく必要があります。ケーブルを高規格にしても、ルーターやPCのLANポートが古ければそこが上限になるからです。

ルーターのLANポート規格の確認方法

メーカー公式サイトで機種名を検索し、スペック欄でLANポートの規格を確認します。

「10/100/1000BASE-T」と書かれていれば最大1Gbps対応、「10GBASE-T」なら10Gbps対応です。「10/100BASE-TX」までの場合は、最大100Mbpsが上限です。

PCのLANポートの確認方法

Windowsの場合は、スタートボタンを右クリックして「デバイスマネージャー」を開きます。次に、「ネットワークアダプター」の項目を展開します。

表示されるアダプター名に「Gigabit」や「1000Base-T」の文字があれば1Gbps対応です。アダプター名だけでは判断できない場合は、その型番をメーカーサイトで検索すると仕様を確認できます。

ルーターやPCのLANポートが100Mbps止まりの場合、ケーブルを変えても速度は上がりません。まず機器側の対応状況を把握してから、ケーブル選びに進みましょう。

マンション(VDSL方式)は先に配線方式を確認する

集合住宅でネットが遅い場合、LANケーブル以前に「配線方式」がボトルネックになっているケースがあります。

マンションのインターネット配線には大きく2種類あります。電話線を使う「VDSL方式」と、光ファイバーを直接部屋まで引き込む「光配線方式」です。

VDSL方式では、建物内の共用部から各部屋までが電話線で配線されているため、回線速度の上限は最大100Mbpsです。この上限を改善するには、管理組合に工事を依頼する必要があり、個人では対応できません。

ただし、ルーターとPCをつなぐケーブルが古い場合は、交換する価値があります。100Mbpsを安定して出しきれていない場合は、LANケーブルを見直すことで改善する余地があります。

LANケーブルの規格ごとの違いと特徴

CAT5e〜CAT8の比較表

LANケーブルの性能は「カテゴリ(CAT)」という規格で分類されています。数字が大きいほど対応速度と帯域幅が上がりますが、それが家庭での実用性に直結するとは限りません。まず規格の概要を整理します。

規格最大通信速度周波数帯域特徴
CAT5e1Gbps100MHz古い家庭環境に多い。劣化していなければ1Gbps回線には対応できる
CAT61Gbps250MHzCAT5eよりノイズ耐性が強化。55m以内なら10Gbpsも通せる条件あり
CAT6A10Gbps500MHz10Gbpsに正式対応。家庭用の買い替えならこれが最有力
CAT710Gbps600MHz家庭向けに売られているものは規格相当品。実質CAT6A以下の性能しか出ない
CAT840Gbps2000MHzデータセンター向け。距離制限30mで家庭には不向き
※市販品はRJ45コネクタの規格相当品のため、カタログスペック通りの性能は出ない

家庭用はCAT6Aまでで十分な理由

現在の家庭用光回線は最大1Gbpsが主流で、一部で10Gbpsプランも登場しています。

1Gbps回線であれば、規格上はCAT5eでも対応できます。ただし、ケーブルが古い場合やノイズの多い環境に配線している場合は、安定性が落ちて速度が出にくくなります。

買い替えるならCAT6Aが最もバランスの取れているので、おすすめです。価格も手頃で、10Gbps回線に切り替えた場合もそのまま使えます。CAT5eからの交換であればノイズ耐性と安定性が上がり、将来性も確保できます。

CAT6はCAT5eよりノイズ耐性が高く、短距離であれば10Gbpsも通せます。ただし、今から新しく買う場合、CAT6Aとの価格差はそれほどありません。そのため、長期的にはCAT6Aを選ぶ方が合理的です。

CAT7・CAT8を家庭用に買うべきではない理由

家電量販店やネット通販で「CAT7」「CAT8」と表記されたケーブルが売られていますが、これらは注意が必要です。

CAT7の正式規格では、コネクタにRJ45ではなくGG45やTERAといった特殊な形状のコネクタが必要です。しかし、市販のCAT7ケーブルの多くはRJ45コネクタを採用した「規格相当品」で、正式なCAT7規格を満たしていません。

そのため、RJ45で接続する限り、実質的にはCAT6A相当の性能にとどまります。

さらに問題なのは、CAT7がシールド付き構造(STP)を前提とした規格である点です。

家庭用ルーターやPCの多くは、シールドの接地(アース)処理に対応していません。そのため、シールドを適切に処理できないと、逆にノイズを拾うアンテナになってしまうリスクがあります。

CAT8についても、家庭では不要です。40Gbpsに対応していますが、使用できる距離は30m以内に限られます。データセンター向けの規格で、ケーブルも太く硬いため、家庭内での取り回しには向きません。

カテゴリの数字が大きければ性能が良いというわけではなく、家庭環境で使える規格かどうかが重要です。CAT7・CAT8はその点で家庭用として適していません。

用途別、LANケーブルの選び方

一般的な光回線(1Gbps)の場合

1Gbpsの光回線を使用している場合、CAT5eでも規格上は対応できます。ただし、ケーブルが古くて劣化していたり、電源コードの近くに配線していたりすると、ノイズの影響で速度が安定しないことがあります。

買い替える場合は、CAT6Aを推奨します。CAT5eと比べてノイズ耐性が大幅に上がり、10Gbps回線に将来切り替えた場合もそのまま使えます。価格も数百円から数千円程度で、コストパフォーマンスに優れています。

10Gbps回線・業務用途の場合

NUROやフレッツ光クロスなどの10Gbpsプランを契約している場合は、LANケーブルはCAT6A以上が必要です。CAT5eやCAT6では帯域が足りず、高速回線の性能を十分に発揮できません。

CAT6Aは、10Gbpsを最長100mまで安定して通信できる規格です。家庭の10Gbps回線なら、CAT6Aで十分です。ルーターやPCのLANポートも10Gbps対応かどうかを合わせて確認しておきましょう。

接続経路のどこかが1Gbps止まりであれば、そこが上限になります。

ゲーム・動画編集・リモートワークの場合

オンラインゲームやビデオ会議では通信の安定性と遅延の少なさが重要です。CAT5eのような古いケーブルや劣化したケーブルでは、ノイズによってパケットロスが発生し、遅延や接続切れを引き起こすことがあります。

オンラインゲームやビデオ会議には、CAT6Aの利用がおすすめです。ノイズ耐性が高く、安定した通信を維持しやすくなります。動画編集でクラウドへの大容量アップロードを頻繁に行う場合も、通信が安定しているかどうかが作業効率に直結します。

メグルテ編集部

有線LANはWi-Fiよりも通信が安定しています。

現在Wi-Fi接続でゲームの利用やビデオ会議を行っている場合、ケーブルの規格を上げる前に、有線接続に切り替えるだけで改善する場合もあります。

LANケーブル選びで気をつけたいポイント

ケーブルの長さとノイズ対策

LANケーブルは長くなるほど信号が減衰しやすく、ノイズの影響も受けやすくなります。特に20mを超える配線では注意が必要です。

必要な長さより大幅に長いケーブルを束ねて使うと、信号品質が落ちる原因になります。可能な限り実際の距離に近い長さのケーブルを選定してください。

配線ルートも重要です。電源タップや延長コード、電子レンジなどの家電と並行して這わせると電磁ノイズの干渉を受けやすくなります。

LANケーブルは電源ケーブルから離して配線するだけで、通信の安定性が上がることがあります。

STPとUTPの違い

LANケーブルには、内部にシールド(金属箔)を施した「STP」と、シールドなしの「UTP」があります。STPはノイズを遮断する構造です。ただし、シールドを正しく機能させるにはアース(接地)処理が必要です。

家庭用ルーターやPCのほとんどはアース処理に対応していません。そのためSTPを使っても効果が出にくく、場合によってはシールドがノイズを拾うアンテナになってしまうリスクがあります。

家庭環境ではUTPを選ぶのが適切です。軽くて柔らかく取り回しもしやすく、一般家庭のノイズ環境であれば十分な安定性を確保できます。

フラットと丸型の使い分け

フラットケーブルはドアの隙間やカーペットの下に通しやすく、見た目もすっきりします。数メートル程度の短距離配線であれば通信品質に大きな差はありません。

ただし外部からの力に弱く、断線しやすい特徴があります。そのため、ドアに挟まれたり踏まれたりすることが繰り返される場所には向きません。

丸型(スタンダード)ケーブルは耐久性が高く、長距離でも安定して使えます。速度や安定性を優先するなら丸型を選んでおくのが無難です。特にこだわりがなければ、取り回しやすい方を選んで問題ありません。

安すぎるケーブルのリスク

「CAT6A」と表記されていても、ノーブランドの格安品では内部の導体やツイスト構造が規格を満たしていないことがあります。こうした製品は通信が不安定になったり、特定の機器で接続が途切れたりする原因になります。

ELECOMBUFFALOサンワサプライなど国内メーカーの製品を選ぶことで、規格通りの性能が安定して得られます。

LANケーブルは一度買えば数年使うものなので、数百円の差であれば信頼できるメーカーを選ぶ方が結果的に安くつきます。

LANケーブル交換後に効果を確認する方法

ケーブルを交換したら、実際に速度が改善したかを確認しましょう。体感だけでは判断しにくいので、数値で比較するのが確実です。

Googleで「スピードテスト」と検索すると、そのままブラウザ上で速度測定ができます。

下り速度(ダウンロード速度)が契約回線の速度に近い値であれば、ケーブルはボトルネックではなかったと判断できます。交換前後で測定しておくと比較しやすいです。

速度が変わらない場合は、以下を順番に確認してみてください。

  • ケーブルが確実に奥まで差し込まれているか(固定される感触があるまで)
  • ルーターとPCを再起動したかどうか
  • ルーターのLANポートの対応規格が古くないか(100Mbps止まりになっていないか)
  • PCのデバイスマネージャーでLANアダプターに「!」マークが出ていないか

これらを確認しても改善しない場合、ボトルネックはケーブル以外にある可能性が高いです。たとえば、ルーター自体が古い、回線業者側に問題がある、またはWi-Fi経由で測定していた、といったケースが考えられます。

有線接続で測定していることを確認した上で、それでも遅ければルーターの買い替えも視野に入れましょう。

LANケーブルとネット速度でよくある質問

LANケーブルを変えるだけで本当にネット速度は速くなりますか?

ケーブルが古くて劣化していたり、CAT5以前の規格を使っていたりする場合は改善が期待できます。ただし、ルーターやPCのLANポートが古い・マンションがVDSL方式など、ケーブル以外にボトルネックがある場合は交換しても速度は上がりません。まず機器側の規格と配線方式を確認するのが先決です。

CAT6とCAT6Aの違いは何ですか?

CAT6は1Gbps対応の規格で、条件次第で短距離(55m以内)なら10Gbpsも通せます。CAT6Aは10Gbpsを100mまで安定して通せる規格で、ノイズ耐性も高くなっています。今から買うならCAT6Aを選ぶ方が将来性の面で有利です。

CAT7やCAT8のLANケーブルを家庭で使うのは意味がありますか?

家庭用としては推奨しません。市販のCAT7ケーブルはRJ45コネクタを使った規格相当品がほとんどで、正式なCAT7規格を満たしていないため実質CAT6A相当の性能しか出ません。さらにシールド構造が家庭のルーターやPCで適切に処理されず、逆にノイズを拾うリスクもあります。CAT8はデータセンター向けで距離制限もあり、家庭では不要です。

LANケーブルが長いと速度は遅くなりますか?

長くなるほど信号が減衰しやすく、ノイズの影響も受けやすくなります。特に20mを超える場合は注意が必要です。必要以上に長いケーブルを束ねて使うのも通信品質が落ちる原因になるので、実際の距離に近い長さを選びましょう。

フラットケーブルと丸型ケーブルはどちらが速いですか?

短距離であれば速度に大きな差はありません。丸型の方がノイズ耐性と耐久性に優れており、長距離配線や安定性を重視する場合は丸型が無難です。フラットはドアの隙間やカーペット下に通しやすい反面、断線しやすいので設置場所に注意が必要です。

マンションでLANケーブルを変えても速度が上がらないのはなぜですか?

マンションがVDSL方式(電話線を使った配線方式)の場合、構造上の上限が100Mbpsのため、LANケーブルを高規格にしても速度は変わりません。ルーターからPCまでのケーブルが古い場合は交換する意味がありますが、根本的な改善には建物内配線を光ファイバーに替える工事が必要です。これは管理組合への相談が必要で、個人では対応できないケースも多いです。

LANケーブルは何年に一度買い替えた方がいいですか?

明確な交換サイクルの目安はありませんが、5年以上使っている場合は内部の銅線や被覆材の劣化が進んでいる可能性があります。特に頻繁に抜き差しする場所や、直射日光・熱・湿気の影響を受ける環境では劣化が早まります。速度の低下や通信の不安定さを感じたら、年数に関係なく交換を検討しましょう。

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この記事を書いた人

MEGURUTE編集部は、IT業界歴20年以上の技術系出身者を筆頭に、国内外のテクノロジー動向に精通したメンバーで構成されています。

AI・ソフトウェア・ガジェット・Webサービスなどの分野を中心に、信頼できる情報源と専門的な知見をもとに、読者にとって「わかりやすく」「実用的」な解説記事をお届けします。

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